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グローバル経済において望ましい未来を創り出す ピーター・M・センゲ
相互依存がますます深まる世界で、どうすれば望ましい結果を創り出すことができるだろうか――これは、組織や社会が直面するあらゆる重要課題の根底にある問いである。またこれは、20年以上にわたりピーター・センゲが重点的に取り組んできた問いであり、同時に、ソサエティ・フォー・オーガニゼーショナル・ラーニング(SoL、組織学習協会)が行う、革新や大きなシステムの変革、持続可能性、教育の未来、リーダーシップの育成に関する研究の中心にある問いでもある。2003年6月、SoLの第1回世界フォーラムがフィンランドのヘルシンキで開かれ、企業や政府、市民社会団体の研究者、コンサルタント、経営幹部ら335名が一堂に会した。本記事は、このフォーラムでのピーター・センゲの発言を基にまとめたものである。――編集主任、ポール・M・コーヘン
ピーター・M・センゲ
マサチューセッツ工科大学上級講師
SoL創立者兼初代会長
リーダーにとっていちばん基本的な仕事は結果を創り出すことである。だが今や、他から孤立した状態で良い結果を生み出すことは不可能である。組織、経済、そして社会全体が互いのつながりを深める中、私たちの行動は他に影響を与えるともに、他の影響を受ける。時にそれはまったく離れた世界との間でも起こる。今日の世界では、「グローバル社会で生きるとはどういうことか」というより根源的な問いを自らに問うこともせず、「職場でいかに影響力を及ぼすか」について考えることはできない。
私にこの問いをはっきりと認識させてくれたのは、世界銀行の最も才気溢れる幹部の一人である西水美恵子氏である。彼女は、2002年8月に開かれたSoLのエグゼクティブ・チャンピオンズ・ワークショップ(企業上層部向けワークショップ)に出席したすぐ後、第二次世界大戦後に締結されたブレトンウッズ協定への日本加盟50周年を祝う企業や政府のリーダーたちを前に基調講演を行った。彼女はこうした内容について、こういった場には通常見られないほど心のこめて、「物質的な豊かさの恩恵を受けて育った自分にとって、貧困に正面から取り組むとはどういうことか」について語った。彼女は一人のインド人女性との出会いを例に挙げた。きれいな水を汲みに行くのに毎日4時間歩かなくてはならなかったその女性は、一緒に歩きながら西水氏にこう言ったのだ。「これは人生ではない。ただ単に命をつないでいるだけ」と。西水氏にとっては、途上国の大半でますます多くの人にとって現実となっているこうした状況を1、加速するグローバル社会を形づくる力と切り離して考えることはできない。
未来は私たちにはまるで違う世界のように見えます。
未来がこれまでの世界と最も大きく異なる点は、地球そのものが、その未来を形づく
り測定する大切な存在だということです。未来を方向づける決定的な問題は、すべて
基本的には地球全体にかかわることです。
私たちは、一つのつながり合うネットワークに組み込まれており、そこから逃れるこ
とはできません。生態系のつながり、情報や考え方、人、モノ、サービスのより自由
な移動のつながり、平和と安全のつながり、といった具合です。
実際に私たちはこの地球上でたった一枚の運命の織物にしっかりと結ばれています。
ある国をこの布から引き裂こうとするような政策や行動は決してうまくいかないでし
ょう。2
真のグローバル社会に向けて準備ができている組織は数えるほどしかない。それどころか私たちは、自然界の投じてくれた投資――生理的、認知的、、心理的、そして文化的な進化――はうまく機能していない。私たちの神経構造は、突然で劇的な環境の変化に対応するよう調整される。手を大きく叩けば、その結果は即座に見える。私たちは差し当たって必要なことや目の前にある問題に焦点を当て、「目に見えるものこそが紛れもない現実である」という思い込みにとらわれる。私たちは何千年にもわたり、自分の家族や仲間、そして身近な社会の構造に溶け込むようにと教えられてきた。こうした習慣を打ち破り、人類全体と共感することが求められる未来は、たしかにまるで違う世界のように見える。
一方私たちは、いくつかの点ではずっと以前から世界における自分の立場をきちんと理解してきた。表土を失ったり地元の 漁場を崩壊させたりすれば、自分たちがそのツケを払うということを歴史の早い段階で学んでいる。今日、これを持続可能 性と呼ぶ(補足記事「トリプル・ボトム・ラインの改善」を参照)。だが、私たちはこれまで、自分たちの行動が、グロー バル企業を通じて地球の反対側に重大な影響を及ぼし得る世界にくらしたことはなったし、他の行動にこれほど依存したこ ともなかった。1980年代後半に米国で実施された緊急時対策調査による推計では、米国人一人が消費する標準的な食料の平均輸送距離は1,500マイル(約2,400キロメートル)であり、しばしば輸入ものであった。その後何年にもわたり、生活に欠かせないモノやサービスに関する先進国の途上国への依存度は増すばかりである。
このようにこれまでとはまるで違うつながり合う世界にくらすという挑戦は、現実的なことであると同時に、私たち一人ひとりに深くかかわることでもある。とどのつまり、私たちはこうした挑戦によって、「一人の人間として自分は何者なのか」「地域の仲間たちのネットワークの中で自分はどういう存在なのか」「自分が全力で取り組むことは何か」についてじっくりと考えることにつながるのだ。こうした気づきは、経営者や教師、親、そして市民としての取り組みにおいて効果を発揮するのに欠かせないものである。
未来は私たちにはまるで違う
世界のように見えます。
原文p.2左 |
望ましい結果を創り出す
分野を超えたダイアログやシナリオプラニングを専門とする優れたファシリテーターで、SoLのメンバーでもあるアダム・カヘイン3は、「3種類の複雑性の増大が、組織や社会の一筋縄ではいかない問題の根底にある」と述べている。
・ダイナミックな複雑性:時空を超えて生じる因果関係
・社会的な複雑性:政策も世界観も異なるさまざまなステークホルダー
・生成的な複雑性:もはや過去の解決策では適応できない現実の出現
こうした複雑性に直面したとき、「問題解決」という考え方そのものが妨げになる可能性がある。「問題を解決」しようとすると、私たちは壊れた何かを元どおりにしようと考えるだろう。過去の目を引く解決策にたどり着く場合もある。さらには、現実を「味方」ではなく「敵」だと考えるようになる可能性もある。だがこうしたことは、「問題解決」を本当に望むものを創り出すためのより大きなプロセスの一環としてとらえるならば、避けることもできる。
グローバル社会、もしくは何らかの状況で望ましい結果を実現させるには、学びとリーダーシップが求められるが、とりわけ共同での創造が必要とされる。実のところ私は、学び、リーダーシップ、創造の3つは、同じ基本的な現象を語るものだと考えている。たとえば、効果的なリーダーシップは、前向きな選択をして、共により良い未来を生み出すために不安に打ち克つことができるという信念によってもたらされる。学びは、部門をマネジメントするすべを身に付ける場合であれ、言語の習得であれ、育児であれ、これまでにない結果、とりわけ心から大切だと考える結果を現実のものにするための新たな能力を創り出すことである。これは、「創造する」の語源の定義の「存在をもたらす」―ことでもある。
創造は、私たちが単に入り込む神秘的な状態のことではなく、理解して、発展させることのできる規律だ。音楽家で映画制作者でもある組織コンサルタント(そして多くの点で創造を一つの規律として研究する私の良き師)のロバート・フリッツ4は、あらゆる分野のリーダーが望ましい結果をより効果的に生み出すための力となる3つの原則を打ち出した。
1.創造することと問題解決とは違う
「創造すること」と「問題を解決すること」の根本的な違いは簡単である。問題を解決する場合、私たちは望んでいないことを取り除こうとする。一方、創造する場合は、本当に大切にしていることを存在させようとする。これ以上に根本的な違いはほとんどない。もちろん多くの人は、仕事でも私生活でも、真に大切なことを創造することに力を注ぐより、問題解決とさまざまな状況への対応にはるかに多くの時間を費やす。実際、私たちは問題への対応で頭がいっぱいで、「自分が本当は何を望んでいるか」ということはすぐにどこかへ行ってしまう。
組織は、日々の問題を解決することと新たな結果を生み出すことの両方を実行しなくてはならない。だが個人としても組織としても、新しい有意義な何かを創り出すことではなく、問題を解決することを仕事の中心に据えた場合、目的意識を持ち続けるのはむずかしい。深い目的意識がなければ、困難な時代に力強く成長するために欠かせないエネルギーや情熱、献身、粘り強さを発揮することは至難の業である。
「自分の仕事でどちらを優先させるか」と迷ったら、自分自身や同僚にただこう聞いてみよう。「今日やり遂げようと思っていることは何ですか?」たいてい同僚たちは、対応しようとしている一連の問題を挙げるだろう。次にこう聞いてみよう。「それらの問題を解決することで何が達成できますか?」だいたいは、また次に取り組むことができる一連の問題を挙げるだろう。「最初に人間関係のきしみを解消できさえすれば、サービス悪化の防止に取り組める」といった具合だ。だが、忘れられがちなのは、もっと根本的な問い、つまり、「私たちが創り出そうとしていることは何か」である。この問いに対する説得力のある答えがなければ、すべての問題解決が実際のところなぜ重要なのかを知ることはむずかしい。人々が自分たちの目的やビジョンを忘れてしまっている組織では、問題解決は、組織にとってただ忙しいだけの仕事となる。目的ともう一度つながることは、必ず次のような問いかけから始まる。「私たちはなぜここにいるのか?」「世界をより望ましい場所にするために私たちは何を創り出そうとしているのか?」「もし私たちがいなくなったら、誰が惜しんでくれるだろう?」(ちなみに、もしあなたが企業で働いているとしたら、最後の質問に対する答えとして「当社の投資家」というのはあり得ない。投資家はどんな場合も、投じた資金に対して十分なリターンが得られる別の会社を見つけるものである。)
| 新しい有意義な何かを創り出すことではなく、問題を解決することを仕事の中心に据えた場合、目的意識を持ち続けるのはむずかしい。 原文p.4左 |
2.創造的プロセスはビジョンと現実のギャップによって力を得る
創り出したい何かを想像するとき、私たちは未来のビジョンを心に描いているが、それは同時に、今あるものとの潜在的な違いをも呼び起こす。創造的な芸術家はみなこの原理を心得ている。ロバート・フリッツはこれを「構造的な緊張」と呼び、ビジョンを実現しようと行動を起こすことによって解消できることだと述べている。ビジョンと現実の間に生じるギャップを埋めることは、創造的な芸術の本質である。芸術家は素晴らしいアイデアを現実のものにしなければそれを認めてもらえない。「ビジョンを現実のものにする」ということは、社会や政治、企業における偉大なるリーダーシップの本質でもある。
しかし、ビジョンと現実の間に生じるこうした緊張に不安を感じる場合もある。そのため、「クリエイティブ・テンション」(創造的な緊張)が「エモーショナル・テンション」(感情的な緊張)となり、私たちはしばしばそこから逃げ出す方法をあれこれと模索する。エモーショナル・テンションを軽くする一つの方法は、単に真のビジョンを低くして夢をあきらめ、「現実的な目標」だけを目指すことである。こうすれば不安な気持ちは和らぐかもしれない。だが同時に創造的なエネルギーも損なわれてしまう。二つ目の方法はさらに厄介なもので、現実について真実を語らないということだ。ビジョンを低くするという妥協のダイナミクスは私たちの身の回りによくあることだが、同じように否定のダイナミクスもまた珍しいことではない。しかし、現状を偽って伝える限り、私たちはその現実を変える力も失ってしまう。ビジョンに対して誠実であり続けるだけでなく、現実をありのままに語ることによっても創造的プロセスのエネルギーは解き放たれる。
3.制約を理解することで自由に創造できる
熟練者と初心者との違いが一つある。それは自分の周りにある制約を正しく認識しているかどうかだ。フリッツの言葉を借りれば「無限大のカンバスに絵を描く画家は一人もいない」。
ゼロックスの元副社長のジョン・エルターは、この原理を用いて絶大なる効果をもたらした。同社初のフルデジタルコピー機開発に向けた数年にわたる製品開発プロセスの初期段階に、彼はチームメンバーをニューメキシコ州の砂漠にある広大な大地へと2日間の旅に連れて行った。5 その帰り道、たまたまゴミ集積場のそばを通りかかった彼らは、下の方に埋もれているゼロックスのコピー機を見つけたのだ。思いもよらない出来事だった。彼らは、製品と会社全体にとっての新たなビジョン――子どもたちのためにゴミ捨て場行きをゼロに――を胸に再び仕事に取り組んだ。
エルターは言う。「技術チームが取り組む制約は、ほとんどが経営者側の言う無意味なことばかりです。経営陣は皆、『製品の収益をこれだけ伸ばさなくてはならない』とか『こうした原価目標を達成しなくてはならない』といった制約を課します」。しかし、彼らが砂漠ではっきりと直感した後に彼はこう述べている。「私たちは自分たちの抱える本当の制約、すなわち、このコピー機からゴミ捨て場行きとなるものを決して出してはならない、ということに気づいたのです」。彼らが設計した製品は、最終的には再製造率94%、リサイクル率98%となり、さらには売上目標をすべて達成、ないしは上回った。取り組んでいた制約をとらえ直すことで、チームは偉大なる製品を創り出したのだ。そしておそらくこのことは、倒産や買収から会社を守ることにつながった。
エルター率いるチームが見せてくれたように、今後私たちが先へ進むにつれ、創造性を可能にする制約は、つながりを深める世界の環境的、社会的現実を認識することから生まれるだろう。自然は無駄なものを何一つ生み出さない。企業が自然と違うことをする理由がいったいどこにあるだろうか? とはいえ、私たちはたいてい制約の原因となる相互のつながりを理解することができないため、創造性を可能にする制約を見極めることができないのだ。

マイケル・グッドマン(Michael Goodman)
つながりを見失う
グローバル社会における不均衡――所得配分や市民社会の発展、生命システムの破壊――を正すには、自然や社会システムに広がるつながりを理解しなくてはならない。だが、私たちの多くにとって、現代社会の雑音はこうしたつながりを見えにくくする。その結果、まずは自分自身の思考が妨げられ、そして行動が妨げられる。たとえば、MITのジョン・スターマンによる最近の調査を見ると、地球温暖化に対する漠然とした不安が、なぜ必ずしも政治的な行動へと移行しないかが分かる(補足記事「暑さを感じる」を参照)。
スターマンは、人々の考え方の中に奇妙なずれがあることを強く感じた。世論調査によれば、ほとんどの米国人は、地球温暖化を現実のものと考えているのに、これを何とかしなくてはという切迫感がほとんどないという。スターマンは、「こうした無頓着さの原因はおおかたシステム思考のスキルの乏しさにある」という自身の仮説を証明するため、同僚のリンダ・ブース・スウィーニーと共に思考の実験を考案した。彼らは、これまでに分かっている大気中のCO2量(ストック)と新たなCO2排出量(フロー)を基に、2つの異なるシナリオを作った。そして3つの名門大学の大学院生たちに各シナリオについて起こり得る結果を予測させたのだ。すると、3分の2近い学生が、論理的な帰結となる動向、すなわち温暖化が続くということを認識できなかった。このお粗末な結果は、専門的な理解が欠けていたせいではなく、ストック(現在の大気中CO2の水準)とフロー(CO2が新たに排出されるスピード)の関係を見抜く力がなかったことによる。CO2を新たに排出するスピードが、大気中から取り除かれるCO2のスピードを上回れば、CO2全体の水準は上昇し続け、それに伴い地球温暖化の可能性も増していく。
根底にあるこうした相互のつながりを見分けることができなければ、政治家であろうが一般市民であろうが、「こんな問題は存在しない」とか「誰かが何とかしてくれるだろう」と振る舞いがちになるのも無理はない。「こうした失敗はシステム思考教育を極めておろそかにしたことによるものだ」と考える教育者が、スターマンやブース・スウィーニーをはじめ世界中に増えつつある。相互依存が深まる世界では、システム思考が教育の最優先課題にならなくてはならないということだ。ハーバード大学の元教育学部長で、米国エッセンシャル・スクール連盟(Coalition of Essential School)の創設者でもあるテッド・サイザーはこう記している。「私たちが直面している複雑性と、その複雑性への理解を共有できるようになる能力とのギャップが拡大していることは、私たちの未来にこれまでにない難題を突きつけていると言っても過言ではない。年長の学生でさえ、世界の否定しがたい複雑性をほとんど理解していない」6
だが、地球温暖化のような問題の緊急性が抑えられたり、欠けたままである限り、教育の抜本的改革に向けた原動力にはブレーキがかかったままとなるだろう。私たちは「八方ふさがりの状態」に陥っている。私たちは決して、これらの問題をもっと差し迫った身近な問題を見るのと同じようには見ないため、システム全体の不均衡に目を向けざるを得ない状況にならないのだ。また、「緊急性」を、目の前にあることかどうかで判断するため、システム全体に及んでいる問題をとらえることができないでいる。私たちは認識の危機を自ら増幅させ、その犠牲者となっている――言ってみれば自分自身で招いた危機なのだ。こうしたことが続けば、私たちの行き着く先は受身の連続である。重い腰を上げて行動に出るのは大惨事が起きたときのみとなる。社会格差の拡大によって、富める者と貧しい者とで地球温暖化などの問題による影響に差が出ることを考えれば、こうした状況によって社会的、政治的崩壊をきたす可能性は高い――これはすでに世界中で私たちが目撃し始めていることであるが。
私の考えでは、欧米の物質主義的な世界観をがらりと変えないことには、こうした認識の危機を取り除くことはできない。世界中のすべての人々が全体感を深められるようにするにはどうすればよいだろうか――すなわち、社会、経済、環境のシステムを共有するにはどうすればよいだろうか? おそらくその幕開けは、どのような立場であろうと、世界のどこででも生きることを可能にする素晴らしいつながりの「網」をみんなが認識し、かつ、この網の中での自分たちの意識の果たす役割をみんなが理解し始めるときであろう。
| これが人間の世界の本来の姿、すなわち、「それぞれは個別の存在であるが、全体としてみれば途切れることなくつながっている」ということである。原文P.7右 |
| ほとんどの米国人は、地球温暖化を現実のものと考えているのに、これを何とかしなくてはという切迫感がほとんどない。原文p.8左 |
つながりを知る
ここ数年、さまざまな科学専門分野の先駆的リーダーたちが、相互につながる世界の全体像の構築に着手している。こうした世界は、もともとは量子物理学の研究結果がきっかけとなって生まれたもので、私たちの多くが想像するよりもはるかに豊かな世界である。物理学者のデヴィッド・ボームは、1951年に刊行された自著『Quantum Theory』(邦訳:『量子論』高林武彦ほか共訳、みすず書房)の中で、量子論の数学的方法に基づく次のような仮説を提示した。原子から粒子を分離し、その2つの素粒子がそれぞれ宇宙の両端に行くとする。そのとき、一方の素粒子のスピンを変えると、瞬時にもう一方の素粒子のスピンも変わるというのだ。ボームがこうした概念への挑戦を提示したのは、量子論が、当時の文化を支配していたニュートン的な分離と一つのことが原因で別のことが結果として起こる因果関係の考え方とは相反する「世界全体は途切れることのないつながり」であることを明らかにしたと確信したからである。
ボームの仮説は後に物理学者のJ・S・ベルによって取り上げられた。ベルはさらにこの理論を発展させ、ボームの説――一つの素粒子のスピンの変化は、かなり離れた所にある、もともとその素粒子と結びついていて分離されたもう一つの素粒子にも瞬時に見て取れる――が正しかったことを実証した。物理学者らはこれを「ベルの定理」あるいは「非局所性の原理」と呼び、度重なる経験から得られたこの確証は「20世紀の科学において最も衝撃的な出来事の一つ」と考えられた。7 物理学者らは、「非局所性は素粒子レベルでは機能するが、より『大きな』規模でこのような相互依存性が存在するかはまだ証明されておらず、人間や社会という世界でこの現象が当てはまるかどうかについては多くの疑問が残っている」とすぐさま警告を発した。別の観点から、最近驚くべきプロジェクトが、その新たな答えを明らかにしつつある。
技術者、物理学者、心理学者らによるチームが、17カ国に設置した37の乱数発生器の出力結果について調査を進めている。これは、ボームが予測した素粒子レベルだけでなく、人間のレベルで作用するつながりがあるかどうかを観測しようというものだ。科学的調査で用いられる乱数発生器は、電磁波や通信波のような、人間や自然界における知り得る限りすべての干渉から隔離されている。だが2001年9月11日の朝、乱数発生器はきわめて規則的な動きをし、何が原因かはまったく分からないが、おそらく人間に由来する、通常とは異なる何らかのかく乱の影響を示した(補足記事「規則的な動きの出現」を参照)。
面白いことに、ボームやアルバート・アインシュタインのような先駆者らは、量子論の示唆することが人間の認識や社会の調和といった領域に及ぶことを少しも疑わなかった。1980年にボームはこう述べている。「これからいちばん大切なことは、私たちが唯一知性あるものとして機能できるように、人々の間にある垣根を取り払うことだ。ベルの定理が意味することは、これが人間の世界の本来の姿、すなわち『それぞれは個別の存在であるが、全体としてみればつながっている』ということである。やるべきことは、こうした垣根を取り払う手立てを探ることだ。そうすれば、私たちは本来の姿でいることができる」。8 ボームのプリンストン大学時代の同僚であるアインシュタインは、同じような思いをこう述べている。
「人間は、自分自身や自分の考え、感情を他とは分離して感じる。いわば意識に対する視覚的な幻想のようなものだ。こうした幻想は、私たちを個人的な願望の中に押し止め、ごく身近にいるわずかな人にしか愛情を与えさせない、いわば私たちにとっては牢獄のようなものである。私たちがやるべきことは、思いやりの輪を広げ、生きとし生けるものや自然のすべてをその美しさおいて受け入れ、自らをこの牢獄から解放することである」
具体的には何を意味するのか? ボームは、人と人とのつながりや全体としてのつながりの認識を深める上でのダイアログの可能性を解き明かすことに、晩年の10年の大半を捧げた。しかし悲しいことに、それが実際に役立っているという証拠が次々と明らかになるのは彼の死後のことであった。
アダム・カヘインは、1990年代初頭の南アフリカでダイアログが実際に役立った例を一つ挙げている。アパルトヘイト体制が終わりを告げようとする中、それまで互いに殺し合っていた人々は民主政権を樹立しようと必死にもがいていた。「当時よく言われていたジョークがある。気が遠くなるような困難な課題に国が直面する中、南アフリカの人々には2つの選択肢――現実的な選択肢と奇跡的な選択肢――があった」とカヘインは言う。現実的な選択肢とは、誰もが「ひざまずき、天使たちに『どうぞ天から舞い降り、私たちのためにこのような事態を解決してください』と祈りを捧げる」こと。一方、奇跡的な選択肢とは、人々が「共に前に進む方法が見つかるまで互いに話し合う」というものだ。9 幸いにも南アフリカの人々は「奇跡的な選択肢」の方を選び、互いに話し合い、共有する祖国とのつながりや未来へのつながり、そして互いのつながりに気づくことができた。
過去の英知を取り入れる
私たちが直面している課題はまったく手に負えないことのように見えるかもしれない。だがもともと人間には、社会的影響に左右されず、世界と自分たちとのかかわりがもっと全体的なものであるという認識をはぐくむ能力がある。歴史上最も古い社会の多くでは、人間の意識と物質的な世界とのつながりは考え方の基盤であった。ここに来て、よりホリスティックな新しい科学理論のおかげもあって、再びその考え方が西洋文化の主流に入り込みつつあるのだ。結局のところ、科学はこの時代の信条であり、かつ現実に対する最も信頼できる解釈を探るよりどころでもある。
企業のリーダーや教師、その他の専門家たちもまた、過去の英知や自分自身の経験を基に、より包括的で他と融和する生き方や働き方を創り出している。これには、全体論的な健康(身体的、精神的、社会的などすべてにおいて健康であること)から、修復的司法(犯罪を取り巻くあらゆるものの修復・回復を目指す司法)、そして学習者主体の学校教育に至るまで、世界のさまざまな動きが含まれる。相互依存が高まる中、多くの企業は、従来型のトップ・ダウンの支配体制が以前ほど現実的ではなくなっていることに気づいている。マネジメント階層のフラット化に努め、「自己組織化」をさらに進める企業がますます増えているのだ。自己組織化とは、上層部からの強制を最小限に組織を運営し、絶えず変化を周辺から中心へともたらす組織のことである。とはいえ、この私たちの旅はまだ始まったばかりだ。しかも、あらゆる従来型の組織には計り知れないほどのストレスがかかり、それによって階層化、硬直化が進んでいる組織もある。世界中への民主主義の広がりを西洋の理想の勝利であると主張するのは時代の流れであるが、実際には逆のことを経験する人は多い。新しい世界秩序の強制は、生き方が変容しつつあるさまざまな有権者に対して敏感に反応しない、権威主義的な組織の主導で進められる。しかし、自己組織化や自己統治の考え方は、昔から世界中に、たとえば土着の文化や先住民族の文化の中にも存在し、人間はどこにいても自然の導きによって生活できるよう自然に対する理解を深めようとしてきた。
おそらく、科学の時代は今まさに別の段階に進もうとしている――そして民主主義にもまた同じことが言える。私たちは民主主義をきちんと理解していないのではないだろうか。西洋的な還元主義の科学(複雑な事象をその構成要素に分解して理解することで、事象全体を理解しようというもの)と同じように、民主主義に関する現在の「ワシントン・コンセンサス」という考え方は、強大な力と同時に大きな制約も併せ持つ、一つのプロトタイプに過ぎない。大半の米国人は、民主主義を一着の古い洋服のような、いわば遺産のようなものだと考えている。だが実際には、私たちが今でも民主主義を学び、創造しているとしたらどうだろうか? より望ましい世界の未来を創るために、もう十分に分かっていると思い込んでいる教えをあらためて認識し、もっと効果的に取り入れなくてはならないとしたらどうだろうか?
ウォールト・ホイットマンは1871年に刊行された自著のエッセイ『Democratic Vistas』(邦訳:『民主主義の展望』佐渡谷重信訳、講談社)の中でこう書いている。
われわれはよく民主主義という言葉を書いてきた。だが私は繰り返し言いたい。この言葉は、本来の主旨がまだ完全に目覚めていない、眠ったままの言葉であると。民主主義は偉大なる言葉であるが、その歴史はまだつづられていないのではないか。なぜならその歴史がまだ演じられていないからだ。民主主義という言葉は、よく使われるもう一つの偉大なる言葉、「自然」という言葉の弟分のようなものである。この言葉もまた、歴史がつづられるのをじっと待っている。
今この時代にホイットマンが生きていたら、きっと彼は、米国の民主主義についてではなく、グローバル社会と、そのまだ書かれていない自然とのつながりについて書こうとしていただろう。グローバル企業の幹部たちと腹を割って話してみると、ほとんどの場合彼らが本当に関心を寄せているのは、資本コストや売上利益率ではなく、彼らが後に残していく世界の社会的、政治的な持続性である。10 彼らもまた、未来をまるで違う世界だと考えている。未来がもっと居心地の良い場所になるとしても、そうした未来を創れるかどうかは私たちの肩にかかっているのだ。
| 相互依存が高まる中、多くの企業は、従来型のトップ・ダウンの支配体制が以前ほど現実的ではなくなっていることに気づいている。原文p.10左 |
補足記事:トリプル・ボトム・ラインの改善
グローバル経済の未来について確信をもって言えることはほとんどない。だが、はっきりと言えることが一つある。それは、このままの状態をずっと続けることは不可能ということだ。地球の資源、地球の自然システム、そして少なくとも世界人口の3分の1を占める極貧状態でくらす人々が、決して受け入れないからだ。
では、リーダーたちはこの現実にどう対応することができるだろうか? 単なる法規制の遵守や段階的なプロセスの改善から、本当の意味での改革、すなわち、責任あるやり方で開発・販売する環境配慮製品やサービスへの転換を図るために、私たちは何ができるだろうか? 学習する組織のコミュニティであるSoLの「サステナビリティ・コンソーシアム」(SoL Sustainability Consortium)が、これらの問いに対する実践的な答えをいくつか考案している。このコンソーシアムでは、システム思考と組織学習の原則を適用して、企業が地域社会や自然システムをはぐくみながら利益を上げる、いわゆる「トリプル・ボトム・ライン」についての理解を深めている。BP、シェル、フォード、ナイキ、ユナイテッド・テクノロジーズ、ハーレーダビッドソン、ビステオンといったコンソーシアムのメンバーは、早い段階で、持続可能性の簡潔かつ実務的な定義が必要だと判断した。こうして彼らは、現在の産業システムと自然システムとの違いを示す以下のような図を考案した。11
持続可能な産業システムでは、廃棄物と有害物質のあらゆる発生源を、「技術によって循環できる栄養物」あるいは「地球の生命を支える生物学的な栄養物」に変換することを目指す。これらの栄養物は生きているシステムを傷つけることなく、永久に再利用することができる。12
どの企業も、ゼロックスのコピー・チームのように廃棄物を減らすことはできる。だが、今日の製品には有害物質が大量に含まれており、これを完全に排除できる企業は一つもない。こうした有害物質の負荷が、生態系の破壊のみならず、先進国でのガンなどの病気の発生率を押し上げる主な原因だと考える人は多い。こうした問題への対応策として、環境保護論者らは「マテリアルズ・プーリング」を提唱してきた。「マテリアルズ・プーリング」とは、複雑なバリュー・チェーン全体で協働かつ体系的に取り組み、廃棄物や有害物質の発生源を特定、排除することだ。13 だが実際には、このように組織を越えた学習するコミュニティを構築するには、信頼やビジョンの共有、さらにはより大きなシステムへの共通の理解も必要である。これはまさに、SoLの「サステナビリティ・コンソーシアム」(SoL Sustainability Consortium)のメンバーが現在進めようとしていることであり、ワーキング・グループを作って、多岐にわたる工業製品や消費財の有害物質と廃棄物を削減し、理想的にはこれらをゼロにする取り組みを重点的に行っている。だが、彼らが本当にやろうとしていることは、持続可能性を学ぶコミュニティの構築を習得することである。14
Figure 1 Why Industry Produces Waste 図1 産業が廃棄物を生み出す背景
LIVING SYSTEMS FOLLOW CYCLES
循環を続ける生きているシステム
LIVING SYSTEM 生きているシステム
Decay 腐敗
Nutrients 栄養分
Regeneration 再生
INDUSTRIAL-AGE SYSTEMS DO NOT FOLLOW CYCLES
循環を続けない産業時代
Extraction 採取
GOODS IN PRODUCTION 製品の製造
Waste from Production 製造に伴う廃棄物
Sales 販売
GOODS IN USE 製品の使用
Waste from Use 使用に伴う廃棄物
Discard 処分
Waste 廃棄物
Figure 2 How Industry Can Reduce Waste: A Cycle Industrial System that Mimics Nature
図2 産業における廃棄物削減のしくみ:自然に倣う循環型産業システム
NATURAL RESOURCE
自然資源
Regeneration 再生
Extraction ①採取
GOODS IN PRODUCTION
製造される製品
Waste from Production
①製造に伴う廃棄物
Sales 販売
GOODS IN USE 使用されている製品
Waste from Use ②使用に伴う廃棄物
Discard 処分
Waste from Discard ③処分に伴う廃棄物
Technical Nutrients ① ③ 技術によって循環できる栄養物 Natural Nutrients ③ 自然の栄養物 Waste 廃棄物
①資源生産性
②クリーン・プロダクト(環境への負荷を可能な限り抑え、環境・安全・健康に配慮した製品)
③再製造、再生利用、堆肥化
補足記事:暑さを感じる
これほどたしかな科学的証拠があるのに、地球温暖化の脅威に無頓着な米国人がこんなにもたくさんいるのはなぜだろう――研究者のジョン・スターマンとリンダ・ブース・スウィーニーは首をかしげた。彼らの調査は、関連する力のつながりを理解し、その上で良い解決策を組み立てながら、人々が抱える問題を浮き彫りにしている。15
スターマンとブース・スウィーニーは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2001年報告書のデータ16を用いて、ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)のMBAの学生に地球温暖化のダイナミクスについて説明した。報告書の調査結果そのものは議論の対象ではない。図3-1に示すように、人間活動に伴うCO2排出量の動きを見ると、1850年~1950年の間は一定のペースで増加しているが、1950年以降は急激に増えている。その結果、CO2の濃度全体はこの150年間でおよそ30%増加し、過去42万年で最高の濃度に達した(図3‐2参照)。また、地球の平均気温は、図3-3に示すように同じ方向に向かって推移している。IPCCは、「過去50年間に観測された温暖化のほとんどは人間活動に起因する」と結論づけている。
CO2が大気中から取り除かれるスピードは示されていない――これは言うまでもなく、緑色植物がCO2を吸収し、酸素を放出する際に起こる現象だ。将来のCO2レベルを予測する上でこれは極めて重要な情報である。現時点における最良の推測値によれば、大気中から取り除かれるCO2の量は森林破壊によって減少しており、排出される量の半分ほどだという。従って、大気中のCO2の蓄積量を現在の水準で安定化させるだけでも、排出量を50%削減しなくてはならない――これは世界中すべての国が京都議定書を採択したとしても、それによって達成される削減量をはるかに超える数値だ。すなわち、削減量が50%に満たなければ、CO2の水準は何年にもわたり上昇し続けることになる。その上、大気中にあるCO2の影響は長期間に及び、CO2濃度が現在の水準で安定したとしても、気温の上昇はこの先何年間も続くだろう。こうしたデータを基に2つのシナリオが提示されたにもかかわらず、起こり得る結果を正確に予測した学生はわずか38%に過ぎなかった。
現在働いている原理について、スターマンとブース・スウィーニーはこう言う。「湯船にお湯をためる原理と同じくらい簡単なことだ。つまり、人間は、大気中からCO2が出ていく速さのおよそ2倍の速さで大気中にCO2を送り込んでいる。CO2の大気中濃度を安定化させるには、排出量を大幅に削減しなくてはならない」。また、「最も単純なシステムの概念でさえ役に立つ」と指摘し、より一層科学的に優れた報告書の必要性を訴えている。そして彼らは、「人々がこうしたダイナミクスに気づくのが早ければ早いほど、何もしない静観主義を否定し、湯船からお湯が溢れる前に蛇口を細めるようなリーダーを望む声も早まるだろう」と結論づけている。
Figure 3 The CO2 Stabilization Task 図3 CO2安定化の課題

図3-1
Global emissions resulting from human activity (billion tons of carbon per year)
人間活動に伴う世界の排出量(炭素換算10億トン/年)
Anthropogenic CO2 Emissions (GtC/year)
人為的CO2排出量(炭素換算10億トン/年)
図3-2
Atmospheric C02 concentrations, parts per million 大気中CO2濃度(ppm)
Atmospheric CO2 (ppmv) 大気中CO2濃度(ppmv)
図3-3
Average global surface temperatures,℃. The zero line is set to the average for the period 1961–1990)
世界の平均地表温度(℃)(1961-1990年の平均=0.0)
Temperature Change,℃(1961–1990 Average=0)
温度変化(℃)(1961-1990年の平均=0.0)
補足記事:規則的な動きの出現
乱数発生器――科学・産業調査で使われる乱数の配列を作る装置――は、電磁波や通信電波、そして知り得る限りすべての人間的、物理的な干渉といった外部の力から隔離されなくてはならない。そうでなければ乱数発生器はその機能を果たすことができない。
1998年以降、世界意識計画(J・S・ベルの量子物理学的実験の社会版、Global Consciousness Project)の学際的な科学者チームは、予期せぬ原因によって何らかの結果が起こり得るかを突き止めるため、世界各地に設置した36機を超える乱数発生器の観測を続けている。17 彼らが2001年9月11日に目にしたことは実に予期せぬことであった。
ちょうどテロ攻撃が起きたとき、世界中の乱数発生器は、単体でもネットワーク全体でもどこかおかしかった。それはテロ攻撃の2~3時間前に始まり、2日後まで続いた。データを見ると、個々の発生器の出力に予期せぬ振れがあることと、ネットワーク上のさまざまな発生器の間にそれまでに見たことのない相関性があることが分かった。研究者らは、こうしたデータが観測される確率を1000分の1未満と推計した。彼らは、「観測された相関性が、(すでに分かっている)環境的な要因によってもたらされたとは考えにくい」と結論づけた。もしこれに反する実証が示されなければ、「測定された相関性が、世界的な出来事によって生じる、何らかの(まだよく理解されていない)意識的な要素と直接かかわりがあるかもしれないという可能性に向き合わざるを得ない」18
Figure 4 Terrorist Attacks Context, Sept. 7–13,2001 図4 テロ攻撃時 2001年9月7日~13日

Cumulative Deviation of Chisquare Attacks Marked with Square—Days are GMT (EDT+4)
カイ二乗攻撃による累積偏差【●Cumulative Deviation of Chisquare Attacks】
四角で表示――日付はグリニッジ標準時(米国東部夏時間+4)
Cum Dev (Z^2-1)*E2
累積偏差(Z^2-1)*E2
Days (Resolution Seconds)
日数(検出間隔:秒)【●Resolution Seconds】
(グラフの中)
9月11日 相対的確率曲線P=0.05【●Comparison Probability Envelope P=0.05】
注
1.世界の貧困発生率を半減させるというG7諸国による合意があるにもかかわらず、発生率が大幅に低下した地域は、1990年以降12%減少した東アジアのみである。アフリカ、南アジア、ラテンアメリカでは、1日1ドル未満でくらす人の数は1990年から1998年の間におよそ8,000万人増加した。オックスフォード飢餓救済委員会(Oxfam)によれば、世界全体でも、1日1ドル未満でくらす人は1990年代を通しておよそ27億人と横ばいの状態が続き、2ドル未満でくらす人は27億人から28億人に増加しているという。
http://www.oxfam.org/eng/pdfs/pp000721_G7_missing_ the_target.pdf.
2.西水美恵子氏の講演の全文は以下を参照。「Looking Back, Leaping Forward」Reflections, Vol.4, No.4. http://www.reflections.solonline.org.
3.アダム・カヘインの新刊書『The Victory of the Open Heart: Solving Tough Problems Through Talking and Listening』は2004年に刊行。こうした複雑性の真っただ中で組織が機能する力を養うことに関する彼の取り組みについては、「How to Change the World: Lessons for Entrepreneurs from Activists.」Reflections, Vol.2, No.3に掲載されている。最初の2つの複雑性に関する以前の議論は、G・ルースとP・センゲによる「From Theory to Practice: Research Territory, Processes and Structure at an Organizational Learning Center」(Journal of Organizational Change Management, Vol.9, No.1 (1996))に記載されている。
4.ロバート・フリッツの活動の詳細については以下を参照。http://www.robertfritz.com.
また以下も参照。「A Lesson From the Arts」Reflections, Vol.2, No.4
http://www.reflections.solonline.org. および『Your Life As Art』(Newfane, VT: Newfane Press, 2002)
5.以下を参照。ジョン・エルター他「The LAKES Story」Reflections, Vol.1, No.4. http://www.reflections.solonline.org.
6.T・サイザー、P・センゲ、L・ブース・スウィーニー「Systems Schooling for School Systems」(ワーキング・ペーパー、Harvard Graduate School of Education, 2003)。また以下も参照。P・センゲ他著『Schools That Learn: A Fifth Discipline Fieldbook for Educators, Parents, and Everyone Who Cares About Education』(New York: Doubleday/Currency, 2001)
7.D・ラディン著『The Conscious Universe』(San Francisco: Harper, 1997):278
8.J・ジャウォースキー「Personal communication」(1980)。また以下も参照。J・ジャウォースキー著『Synchronicity: The Inner Path of Leadership』(San Francisco: Berrett-Koehler Publishers, 1996) (邦訳:『シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップ』金井壽宏監修、野津智子訳、英治出版)。
9.A・カヘイン著『The Victory of the Open Heart: Solving Tough Problems Through Talking and Listening』(San Francisco, Forthcoming 2004)
10.SoLでは企業の幹部たちがこのように率直に話せる場を提供している。具体的な例として、SoLのエグゼクティブメンバーから、より大きなコミュニティに送られた「マーブルヘッド・レター」(Marblehead letter)という招待状について紹介しよう。「マーブルヘッド・レター」(Marblehead letter)の全文は以下を参照。
http://www.solonline.org/repository/item?item_id=163561
世界的なSoLネットワーク立ち上げ時の資金援助者らは、最初の3年間に組織化した取り組みの成果を見直し、重要な課題に対するSoLの貢献の可能性について企業や社会に情報提供を行うため、2001年6月に会合を開いた。彼らは米国マサチューセッツ州のマーブルヘッドに集まり、相互に依存し合う世界で明るい未来を創るための重要な課題をいくつか洗い出し、SoLのコミュニティメンバーに対して、以下の課題に関する継続的なダイアログへの参加を呼びかけている。
社会格差:相互依存性が増すグローバル経済に加わる人々と、そうでない人々との間にますます広がるギャップ
成長の再定義:増加の一途をたどるモノの使用や廃棄に支えられる経済成長は、有限な世界と矛盾する
多様性と包括性:ますます文化的多様化をする組織でコア・コンピタンス(競争のための手段として中核的な強みとなるもの)として包括性をはぐくむ
有能な人材の確保と潜在能力の発揮:「フリーエージェント制」や「自ら考え行動する自発的な」人材の世界で献身をはぐくむ
企業の役割:企業、とりわけグローバル企業の従来の役割を、その影響力により見合うように拡大する
自らを見つめるシステム:社会システムにおける調和と連携への取り組み
11.P・センゲ、G・カールステッド「Innovating Our Way to the Next Industrial Revolution: Building Sustainable Enterprises」Sloan Management Review, Winter 2001, Volume 42, Number 2, pp. 24–38.
http://mit-smr.com/past/2001/smr4222.html.
12.W・マクダナー、M・ブラウンガート共著『Cradle to Cradle: Remaking the Way We Make Things』(New York: North Point Press, 2002 )
13. 同書
14. 「サステナビリティ・コンソーシアム」(Sustainability Consortium)のさらに詳しい情報は以下を参照。
http://www.solonline.org/public_pages/comm_SustainabilityConsortiumCore/
15. 以下を参照。ジョン・D・スターマン、リンダ・ブース・スウィーニー「Cloudy Skies: Assessing Public Understanding of Global Warming」System Dynamics Review, Vol.18, No.2, 2002 http://web.mit.edu/jsterman/www/cloudy_skies.html
また、2002年の「SoL Research Greenhouse Ⅲ」での講演については以下を参照。
http://www.solonline.org/repository/download/Sterman_Greenhouse3.pdf_1.pdf?item_id=364437
16. 以下を参照。http://www.ipcc.ch.
17. D・ラディン「Global Consciousness Project Analysis for September 11, 2001」 http://noosphere.princeton.edu.
18.R・D・ネルソン、D・ラディン、R・ショープ、P・A・バンセル「Correlations of Continuous Random Data with Major World Events」P10
本記事は以下で入手可能(現在は概要のみ)。http://noosphere.princeton.edu.
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